勇気づけを学ぶわたしたちは、子どもの自立心と責任感を育てられる親になることを目標としています。

つまり、子どもが自分のチカラを発揮し、たくましく、たのしく、イキイキと生きていくこと…そして、周囲の人々や社会の一員として貢献していける人になっていくこと…そのための援助をしていくことが親の役目だと思っています。

ですので、親は子どもから、「お母さん(お父さん)のおかげで立派に成長できました。」とは言われなくていいのだとわたしは思うのです。


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昨年の夏に、あるオンラインイベントに参加しました。アドラー心理学をベースとしたカウンセリングをしている某先生の相談会イベントです。

そのイベントでは、希望者は先生に直接お悩み相談をすることができたんです。オープンカウンセリング形式です。

相談をしていた人の中に、カウンセラーを目指しているという女性がいました。



その方はこれからカウンセラーになるための勉強を始めたいそうなのですが、もうそこそこの年齢だし、仕事をやめてカウンセラーを目指したことで、あとで後悔しないか…と思うと一歩を踏み出せずにいる…ということでした。

そして、先生がその女性に返したアドバイスに、わたしは強く心をうたれたのです。

(一言一句は覚えていませんが、大枠を以下に再現します。)



先生:あなたはなぜカウンセラーになりたいのですか?

女性:自分が心の病だったとき、カウンセラーさんにお世話になり、そのおかげで元気になれました。今度は自分が、同じように苦しむ方々の支えになりたいと思っています。

先生:そうですか。もし…ですが、あなたが、患者さんから「ありがとう」と言われることを期待しているとしたら、カウンセラーにはならないほうがいいです。

女性:えっ。

先生:カウンセラーは「ありがとう」と言われることはない職業です。ありがとうと言われてはならないのです。なぜなら、患者さんの課題を解決するのは患者さん本人だからです。カウンセラーはその援助をするにすぎません。
患者さんが「自分のチカラで乗り越えられました!」と言えることがゴールです。だから、「カウンセラーさんのおかげです…ありがとう」と感謝されることはないのです。
それでもいいとあなたが思えるのなら、頑張ってカウンセラーになられたらいいと思います。



わたしは先生の言葉のなかの「カウンセラー」の部分を、「親」に置き換えて聴いていました。

「そうだ。親は子供の援助しかできない。子どもが自分のチカラで課題を解決し、自分のチカラで成長していく…それを援助し、見守る…それが親の役目なんだ。」

その思いをお腹に落とし込めた感覚があったのと同時に、自然と涙があふれてきました。



そういえば、夫が以前、こんなことを話していたことも思い出しました。

「親が子どもからしてもらえる最高の親孝行って、その子が自分を信じて幸せに生きている姿を見せてくれること以外にないよね。」



先生の言葉と夫の言葉が頭の中を駆け巡り…なんだか、わたしのなかでいろんなものが吹っ切れたような気がした瞬間でした。



勇気づけって、まさにそういうことなんですよね。「ありがとう」と感謝されることが目標ではないんです。

「ママ、ありがとう。おかげさまで…」なーんて言葉は期待しない。要らない。

ただ、あの子がたくましく、自分を信じて生きていっている姿が見られれば、それでいい。



今日も明日も、コツコツと。
ひとつひとつを勇気づけ…です。



STEPリーダー
かたおかゆうこ