こんにちは。
かたおかゆうこです。

なにかすごく苦しいことがあったとき。
なにかひどく悲しいことがあったとき。

こんなふうに考えることはないですか?

「もっと苦しい人がいる。もっと大変な人がいる。だからこんなことで弱音吐かずに頑張ろう。」

自分を鼓舞する意味ではとても役に立つ考え方です。けれど、その価値観を自分以外の人…たとえば子どもに押しつけてしまうことはないか…考えてみたいと思います。

3381249_s


「もっと大変な人がいるんだよ!」という励まし方は、勇気を与えられるか。

たとえば私は子どものころに、親からこんな言葉をよくいい聞かせられました。

「明日食べるものもなく死んでいく子どもたちがこの世界にはたくさんいるんだよ。生きてるだけでも幸せなんだから文句を言わない!」

「五体満足で生まれてこられたことに感謝しなさい。手足がなくても頑張ってる人のことを思えば、あんたのその悩みなんか大したことない。」

子どもでしたからね、親のその言葉をそのまま素直に受け取っていました。

もっと大変な人がいるんだ。もっと苦しい人がいるんだ。その人たちと比べれば私は幸せなんだ。……そう自分に言い聞かせていました。

でもいま、自分が親になってみて……さらには勇気づけを学んでいる身になってみて、私は娘にそういうふうな話をしたいとは思わないのです。

それは、子どもに勇気を与えるどころか、逆に勇気をくじくことになると感じているからです。


幸せは自分が決める!じゃあ不幸は誰が決める?

『幸せは自分が決めるものだ』というような言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

自分が幸せかどうかは、他人と比べて測るものではない…という意味だと思います。

他人からみればちっぽけな喜びだとしても、自分がそれを最上の喜びだと思うなら、それでいいんだよ……そういう意味だと捉えています。

自分が幸せならそれでいいんだよ〜!というとても素敵な考え方だと思います。

でもなぜか、『幸福』の物差しは自分の中にあると言うのに、『不幸』の物差しは『世の中基準』を押しつけられるような気がするのです。

自分は「もうこんなの耐えられない!」って感じて、すごーく苦しいとしても、「もっと大変な人がいるんだよ。まだ頑張れるよ。」と言われてしまう。

自分は「これほんとに苦手……。やりたくない……。」と感じて、そう相手に伝えても、「みんな我慢して取り組んでるんだよ、文句言わない!」とピシャリと言い返されてしまう。

幸せは自分で決めていいと言われるのに、苦しさ・辛さは自分で決めると非難される。それって、なんだかギモンに思うのです。


感情を押しこめれば心がマヒしていく。

そんなことを何年も何年もずーーーっと言われ続けると、人はマヒするのかもしれないと思うのです。

「私は自分の状態をすごく辛いと感じていたけど、こんなことは辛いと感じることじゃなかったんだ。」と。

こういうことを続けていたら、自分が「辛い!苦しい!」と感じてることを、そのままの言葉で、そのときのタイミングで、ありのままに発信することができなくなっていくと思うのです。

そうして次第に、自分の感じていることを表現することをあきらめてしまいます。自分の気もちを勇気をもって発信しても、「どうせきっと否定されるんだ。言ってもムダだ。」と思ってしまうからです。

そうなれば、感情をどんどん奥深くに押しこめることになり、もはや自分の感情がわからなくなります。本当はもう頑張りたくないし、頑張れないのに、「まだ頑張れる。」という錯覚を起こすようになり、気がつけば心身ともに限界を超えてしまうことにもなりかねません。


『子どもの気もちに寄り添う』とは。

たくましく、力強く人生を生き抜く子に育ってほしい……みなさんそう思っているのではないかと思います。

逆境に強く、少々のことではあきらめないような強い心を育ててあげたい……私ももちろんそう感じています。

では、親が「え!そんなことで?」と思うようなことや、「いやいや、まだ頑張れるよ。」と感じるようなことで、子どもが弱音をもらしたときに親は何ができるでしょうか。

ついつい言ってしまいがちな言葉の例として次のようなものがあります。

・他のみんなだって苦しくても頑張ってるんだよ!
・○○できるだけでもありがたいよね。
・もっと前向きに考えたら?
・じゃあもうやめたらいいんじゃない!?
・ちょっと疲れてるだけなんじゃないかな。

まずは、そういった言葉はグッとこらえて胸にしまっておきましょう。

目の前の自分の課題に、強くしなやかにたくましく立ち向かっていけるように、子どもの心を育てていきたいと思っていたら……、親がまずやることは、

子どもの感情をそのまま受けとめる

ことなのです。

子どもの感情を誰と比べることもせず、その子の感情をそのまま受けとめてください。
 
たとえばこんなふうに話してあげてはどうでしょうか。
「そうなのね。あなたはそれをとっても辛いって感じて、あきらめたい気もちになっていたのね。」

そして、もしできたら、こうも伝えてみてください。
「辛いっていう気もちをママに話してくれたことが嬉しいよ。ありがとう。」

※STEPではこれを『反映的に聴く』と呼んで、その考え方と聴く技術を詳しく学び、実践的なトレーニングをする時間をもうけています。


目の前のこの子をありのままに受けとめる。

大好きなママに気もちを受けとめてもらえた子は、そこからはじめてその先のことを考えられるようになるのです。

・子どもの抱いている感情を否定しない
・問題の解決ばかりを急がない
・とにかくたっぷりと気もちを受けとめる

そこを意識してみましょう。

子どもの気もちや考え方を認める、とは、それが正しいかどうかを親の価値観でジャッジすることではありません。

・子どもが正しい感情を抱いているか
・正しい考え方をもっているか

などは、ここでは考えなくてよいのです。

認めるとは、その子をありのままに受けとめること。

子どもが自分の気もちを大切にすることができてはじめて、家族や他人の気もちを思いやることができる子に育っていけると思うのです。

受けとめてくれる人がいるからこそ、目の前の困難に「勇気をもって立ち向かっていこう!」と一歩踏み出すことができるのではないでしょうか。

親は、日々の生活のなかで、その援助ができます。

子どもが自分の感情を大切に感じていけるために、その子の感情を否定せずにただ受けとめる…という接し方をぜひ取り入れてみましょう。


STEPリーダー
かたおかゆうこ